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この章は来る世界に向けて「お勧めのストーリー」としてAKがKeen-Area Newsで紹介した記事を「人類への教科書」として掲載する物である。もちろんはるとが承認済である。

2020 The New Earth A travel report【11】関係性

11.関係性


動画版に関しては私の環境では非常に明瞭にセリフが聞き取れるのだが、スピーカーの特性によっては「聞き取りずらい」らしい。
特にスマフォでの視聴はBGMだけが強調され、セリフが聞こえないのでご容赦願いたい。
初期の動画に関してはほぼそのような状態であるが、すでにアップしたものはYoutebeでは修正ができないということを、ご理解いただきたい。


「僕は豊かさを感じているよ。自分の興味を追求できるからね。
以前は、十分なお金を持っている人だけがそうできた。
今、僕にはしなければならないことが何 もないんだ。ただ、何かをしたいと思うときだけ、それをする。
例えば、この素晴らしいリンゴを味わいたいと思えば」彼は腕を回して木から1個摘み取る。


「僕はそれを食べねばならない。
その『ねばならない』が、欲求から来るのか命令から来るのかで、大きく違う。
つまり、内側から来るのか、外側から来るのか、ということ。
もし君も食べたけりゃ、自分で取ればいい」彼は笑顔でそう言って、リンゴをかじる。

「君、知ってるよね」とリンゴを食べながら、彼は話を続ける。
「昔はどんなだ ったか今でも思い出せるよ。
僕は他の人に抑圧され、知らないうちに影響され、僕が普通ならしないことをするように強いられていた。
人にそうされることを、自分で自分に許していたんだ。
それに、僕がしたかったことを、他の人のせいで しなかったことも。

当時、我々はあまりにも他の人のことを気にし過ぎていた。
それじゃあ、今日のような自由や豊かさは実現しないよ。
それは悪循環を形成し ていた。誰も自分自身を大切にできず、他人を気にし、次第に悩みを抱えるようになる。
我々は空しさを感じ、世間は我々と対立した。
すると我々は、それを外側で埋め合わせようとした。

内側はどうかと言えば、死ぬまで不可解なままだった。
だから誰も自分の生き方を立て直す機会を持てなかった。
それを願ってそうした人たちがいても、邪魔する人たちに悩まされる。
それはすごく不満が募ることだった。
けれども、だんだん多くの人たちがそれを理解し、互いに助け合うようになり、我々はストレス要因に対する、ある種の免疫力を獲得した」

僕らは黙ったまま隣同士で座っている。
僕は、ここ数週間、数ヵ月間に自分が 受けたストレスのことを考えていた。
僕の周りには、僕と僕のライフスタイルを 批判し、たくさん『助言』をしてくれる人たちや、本当に僕に対して敵意があり、僕を放っておいてくれない人たちがいた。
そのくせ、彼らは自分の人生さえどうにもできないのだ。

彼らは、自分たちが犯したかつての間違いを、僕も犯しているので指摘するのだと言う。
彼らが自分たちの弱点を僕に投影しているのは明らかで、僕はただ彼らを無視すればいい。
ところが、彼らは僕を放っておかないので、僕は彼らから遠ざかることができなかった。

最悪の場面は僕ではなく、バウチに関することだった。
僕は集中攻撃を受けて いた。僕がバウチに味方し、彼を擁護したからだ。
だから僕も拒絶され、バウチと同じ目に遭った。

僕を支えてくれる人たちもいて、あんまり真に受けるなと言ってくれた。
しかし、結局、僕は浜辺で『完璧な日』を楽しめたのだ。
だって違いを見ることがで きたのだから。

僕は知りたい。
「もし誰かが、君たちに何をすべきか告げようとしたら、今の 時代の君たちはどうするの?」

「まずその人を笑っちゃうよ。それからその人に尋ねるね。
何かあなたのお役 に立てることがありますか。
それとも、あなたが僕の役に立ちたいのですか』どちらでもないなら、僕らはただその場を立ち去るだけさ」

「もし平和を乱す人が家の中にいるとしたら?」

「そのときには、その人に出ていってもらうよ。
もしくは、その人だけを居させ たまま、自分が出て行く。
今日の我々には、どこにも縛り付けられない自由があ る。
誰もストレスを感じる場所に留まっている必要がない。
最近は不愉快な人の 方が少数派で、しかも死んでいなくなりつつある。
前よりも楽になったと、僕は認めないわけにはいかないよ。
気づきの遅い人たちでさえ、今では理解している。

それぞれの人が、自分自身の幸福、あるいは不幸に責任があることを。
自分の状況を嘆いていたり、誰々が何をしたとか、何をしなかったとか嘆いている人は、そのことをまったく理解していない。
腹を立てている人は、その点を本当に見落としているんだよ」

彼はもう一度リンゴをかじり、残りを庭へ返した。

僕にはこれからの5年間で学ぶことがたくさんあるのだな。

夕べは夜更かししなかった。
夕飯にごちそうがふるまわれたが、僕たちは、こ こ数年間でもたらされた変化については話をしなかった。
どっちみち僕の頭はもう破裂していた。
1日にあれだけたくさんの情報を詰め込んだので、僕の頭は何も入る余地がなかった。
僕は早めにベッドに入り、すぐに眠りに落ちた。
今朝、またここで目が覚めて嬉しかった。
というか、状況をどう見るかで気持ちが変わる。
全体的には、非常に面白い経験であるし、滅多にない機会を持てたことが、僕にもだんだん分かってきた。
ネイサンが、僕が元の世界に戻ることを保証してくれたので、一瞬一瞬、楽しむことに決めた。
夢かどうかなんてどうでもいい。

僕の経験はとてもリアルなのだ。

その日の朝遅く、僕はテラスでお茶を飲んでいた。
バウチが僕のそばに腰掛 ける。

「おっす、よく眠れたかい?」彼はあくびをしながら僕に尋ねた。
まだ眠そうな目をしている。
なかには変わらないものもあるらしい。
彼は夜型人間で、遅くまで寝ているタイプだ。
他の人と同じ時間だけ眠ったとしても、やっぱり遅く起きてくる。

「俺は一日平均8時間をキープしている。8時間を身体に、8時間をマインドに、8時間を魂のためにあてる」彼は5年前、僕にそう説明した。
彼の言う一日とは、起きてから寝るまでを指しているので、その時間は相対的なものだとも言っていた。
彼の一日が48時間のときもあれば、たった2時間のときもある。
それでも彼が非常にうまくバランスをとっていることには感心する。

いま彼は僕の隣に座って、ジュースを注ぎながら僕を見ている。

「いやはや、まあ、何と。
俺は本当に自分を抑えなきゃならんわ。
お前さんを言葉の海で溺れさせないようにね。
君に聞いてもらいたいことはたくさんあるが・・・・・・」
彼は僕に微笑みかけてから続ける。
「俺もやっぱり、君が自分で見つける 楽しみを台無しにしたくないからな。
この台詞聞いたの4回目だろ。
だけどここでの時間はそんなに長く残されてはいない。
理由があって、俺にはこのことが分かっている。
そしてその理由のため、俺は君にまだ何も言わない。
俺は台本通りにしているんだ。
君に質問させてあげるよ。
俺の答えられる範囲で喜んで答えよう」

「クリスティーナと知り合ってどれくらいになるの?
君の妻になってからどれ くらい経つの?」
僕は個人的な質問から始めた。

「まあ、妻というのは彼女が自分でそう呼んでいるのさ。
俺はむしろ自分のこと を彼女の男だと見ている。
それは変化を反映してのことだよ。
今日の我々の関係 性は、以前とは少し違っている。
我々は結婚しないし相手を独占しない。
そして 一番重要なのは、我々が互いに相手に属していないことだ。
我々が独立性を得るにつれて、我々は皆一つであり、みんな繋がっていることに目覚めた。
そして悟 ったんだ。
自己を完成させるのに、他者は必要ないことを。
我々の準備ができたとき、我々は別のレベルの自己を見出した。
以前の俺たちが知っているような、 もたれ合うような関係は、もうないんだ。

愛には以前とは違う定義がなされている。
2010年にも俺はこのことを話したが、君には理解できなかった。
他の連中と同様、愛を欲望と思い違いしてたからな。
当時、俺が言ってたこと覚えているか?」
すごくよく覚えている。
当時、バウチが You Tubeビデオで語っていたことが、僕の心を占領した。
だから僕はバウチに僕の恋愛問題を話したんだ。
僕の彼女が浮気して、僕はどうしたらいいか分からなかった。
二人の仲はうまくゆかなくなった。彼女が他の人に心変わりしても、あまり驚かなかった。
それでも僕は苦しみ、自殺を考えた。
自分が欺されたように感じ、自分には価値が無く、女性を幸せに出来ないのだと思った。

バウチのビデオに、誰かが誰かを幸せにする義務はないと言っていたものがあった。
数日、眠れぬ夜を過ごした後で、勇気を振り絞って彼に手紙を書いた。
当時、まさか彼と一緒に暮らし、彼が親友の一人になろうとは、考えもしなかった。
そして夢にも思わなかった。
5年後の未来に、こうして朝食の卓を共に囲み、話し合っているなんて。

「君は言ってたよね。
愛している人の幸せを望むことで、無条件の愛を生き、実践するのだ、と。
つまり、その人のすることは何でもオーケーで、なぜなら、他者に自由を与えなければ、自分も自由でいられないから。少し練習が必要だけど、最初のうちは、あまり自分や人に厳しくすべきじゃない、とも言った。
ともかくそれには感謝するよ。
とても救われたんだ。
その後付き合った人はいなかったけどね。
僕はますます多くの人たちの幸せを願えるようになった。
そしてもちろん、その中に僕の幸せも入っている」

彼は愛に満ちた顔で僕を見ている。

「わかるだろうが・・・・・・」彼は考え深そうに言った。
「当時はほとんどみんな机上の空論に過ぎなかった。
何回かそれを実際に経験する機会があったが、今日と比べれば、何も知らなかったのと同じだよ。
僕はクリスティーナとある経験をした。
どんな経験かは言えないが、無条件の愛を訓練するには、彼女は完璧なスパ ーリング・パートナー(ボクシングの練習相手、仲間)だと思う。

彼女が笑うのを見るのは、今でも俺にとっては世界で一番美しいことなんだ。
人が笑っているときって良いものだが、彼女の笑いは俺の中に最高の幸福感を呼び起こすんだ。
俺がそのためになすべきことは、彼女に幸せでいるために必要なことは何でもで きる、完全な自由を、与えることだ。
不満をもたれたり、罰せられたりする心配をせずに何でも出来る自由をもつ人間にとって、その代償は小さいものさ。

俺には他の女がいる。けれども俺は彼女の男なんだ。
彼女にも他の男がいる。
けれども幸運なことに、彼女は俺の女なのだ。
ラベルを貼ることは、所有権とは何の関 係もない。
一体感に関することだ。
我々はただ共にいるだけだ。
それを表現する言葉はなく、感情があるだけだ。
それを証明することも、生涯を誓い合うことも我々には必要ない。

劣っていたり、価値が低い人なんて誰もいない。
幸せになるために、我々みんなが互いに助け合う。
そのほうが、愛の本質によっぽど近い結 びつきだよ。
昨日、ステファンが君に行ったのも、愛の本質に基づいた結びつきを調えることだった。
だから、競争は存在しない。
一体感において対抗心の入り 込む余地はない。
それは分離の兆しだ。
君はこの知識、物事の見方を身につけたので、元の世界に戻ってすぐに、新しい機会に恵まれるようになる。
そのとき君は、すでにここで君の女の子に出会っている」

彼はそう言って微笑み、僕は困惑した。
僕は自分の気持ちさえ考えたくもなか った。
ある顔が突然頭に浮かび、心臓の鼓動が狂ったように激しくなる。
いかな る甘い考えも抱くまいと、すぐに話題を変えた。
2019-12-31 00:08:58
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