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この章は来る世界に向けて「お勧めのストーリー」としてAKがKeen-Area Newsで紹介した記事を「人類への教科書」として掲載する物である。もちろんはるとが承認済である。

2020 The New Earth A travel report【7】神について

7.神について


動画版に関しては私の環境では非常に明瞭にセリフが聞き取れるのだが、スピーカーの特性によっては「聞き取りずらい」らしい。
特にスマフォでの視聴はBGMだけが強調され、セリフが聞こえないのでご容赦願いたい。
初期の動画に関してはほぼそのような状態であるが、すでにアップしたものはYoutebeでは修正ができないということを、ご理解いただきたい。


マニュエルが僕に呼びかける。

「トウモロコシをくれた畑に感謝しないと」

僕はそう言われて今気が付いた。
彼が食べ残しのトウモロコシを、祈りをこめるように畑に「返していた」ことを。

僕はあわてて畑を振り返り、感謝をこめてお辞儀する。
おかしくて笑ってしまう。

僕は、食べ物に対してこういう態度を持つことが気に入った。
車に戻ってから、僕たちは数分の間しゃべらずにいた。

「それで何が知りたいの?」
彼が尋ねる。
「うん、まあ、あなたが神についてどう考えているのかなって。

まだ宗教があるなら、どの宗教が残っているの?神の存在は、もう証明された?」

彼は笑い出す。
「一度に随分たくさんだな。

君に何か教えてあげることはできるが、証明はできない。
こういう事柄は、そう簡単には説明され得るものじゃない。

僕は説明を試みることはできるが、君の信念が疑いに染まっている間は、君には理解することができない。
実際の経験を取り逃がしてしまうからね。

幸いにも、今の君なら大丈夫だ。
だから僕は、君の宗教についての質問を取り上げ始めたのだよ。

僕は、みんながそれぞれの宗教をもっていると思う。
その上で、僕たちは宗教をめぐって互いに戦争をしたり、殺し合ったりするのを止めにした。

そんなことには、もはや誰も関心がないよ。
僕たちは、僕たちみんなが嘘をつかれていたってわかったから。

それに我々は、宗教の教義を通して神を見つけることも、我々自身を見つけることもできない。
神を探すことは、我々自身を探すのと同じく、時代遅れになった。

そして我々が自分自身の内側を見始めたとき(そのことはね、アミーゴ、これまでとはまったく別の結果を生じさせたんだ。
それについては後で話すよ)、我々はすぐに、自分たちが互いに依存し合っていて、互いに繋がっていることを見出したんだ。

我々は全体像が見えるようになって、自分たちが探していたものを見つけた。
それは、我々がありとあらゆる名前を付けていたものだった。

そして我々は謙虚になった。
気持ちのいい謙虚さは内側からくる。

我々が宗教で教えられたような謙虚さとは違う。
内側に、我々は神ばかりか、我々自身をも再び見出した。

そして我々みんなが「神」であることも。
ついて来てるかな?」

僕は、彼が言ったことについて、しばらく考えた。
彼の説明についていくのは難しくない。

彼は明らかに、僕に何かを納得させることに、何の興味も持っていない。
そのことは僕にとって、何か爽やかな新しいものだった。

僕の考えを読み取ったかのように、彼が続ける。
「君が信じることを選んだものは、君が自分のために決断したものでなければならない。

君の選択は、何であろうが正しい。
あらゆるものが、君の総体的な見方を反映しているのだから」彼はここで微笑んだ。

「そしてそれぞれの見方は、いずれもまったく本物だ。
君が本当だと信じるものは、君の認識通りに自らを表すことができるし、そうするだろう。

大きながらくたの山でさえ、過去に、あらゆる種類の戦争の、もっともらしい理由に利用された。
君が何かを選ぶときには、必ず君が気持ちよく感じるものを選ぶのだよ。

そして他の人にもこの権利を認める。
すると、神についての質問は、もうあまり意味がなくなる。

僕の個人的なアドバイスは、あくまでも僕の意見だが、自分自身を神性の存在として見ることだ。
何の疑いもなく、そのような存在として見ることだ。

宗教の教義は、それとは逆に考えるように教える。
神と人間は分離していなければならない。

そうすれば、人々は完全性――知覚されうる全創造物とともにある、
創造主の完全性――を感じないからね。

もし君が、君の信念が何の役にも立たないと気付いたときは、君はいつでもそれを変えていいんだ。
予期せずに巡り会った何か他のものにね。

あの当時、我々には宗教を選ぶ自由があった。
今、僕たちはそれを実践できる」彼は笑いながら付け加えた。

僕にもそれは避けられない。
しかしこの瞬間、僕は愛で一杯だ。

マニュエル、 サミラ、トウモロコシ、音のない車、目にする人々、そして僕に道を教えてくれたカモメに対する愛で。
突然、そのすべてに繋がっているのを感じる。

一なるものとして。
彼の言葉が僕の中の何かを揺り動かしている。

長い間滞っていた何かを。
「生命体を」と彼が言う。

「何?」とボーッとしたまま僕は答える。
「生命体を、あまり分類しないことだな。

人々、君、僕、サミラ、カモメ、動物、植物。
そのように区別することで、我々はあまりにも長い間、ずっと自分たちの道を塞いできたんだ。

つまり僕が言いたいのは、何でも君の好きなように見たらいい。
けれど、身の周りのあらゆるものを、ヒエラルキーの中にあてはめることなく、ある命の形として見るようにしてごらん、ということ。

そうすると、あらゆるものを同等なものとして見るようになる。
ドラッグ・トリップするような気持ちよさに襲われる。
麻薬を使わずに」

彼は笑みを浮かべて言った。
僕は、間違いを指摘されたようにはまったく感じない。

彼のアドバイスを受け入れることにした。
「それなら神は、僕らを通して自分自身について学んでいる。

僕らはみんな神なのだから。
そういうこと?」

「おや、おや、ものの見方を変えたばかりなのに、随分はやく新しいものが見えるようになりましたね。
悪くないぞ、アミーゴ。
君は飲み込みが速いな」

褒めてもらって嬉しい。
気分は最高。

僕は、自分が嵌まり込んだ奇妙な状況を忘れている。
突然、何もかもがとても面白くなり、ここにいることに感謝の気持ちで一杯。

僕は情熱家だ!
「信じられない速さだよ。

我々がものの見方を変えるまで、どれくらい時間がかかったかを思うと」彼が目の端で僕を見ながら、そう言う。
「君は今なら、世界がたった5年でいかに大きく変わり得るか、信じられるでしょう?」

「ちくしょう!」心の中で僕は言った。
彼はただ笑っている。

それからの車中、僕たちは黙ったままでいた。
方向を指示する僕の声だけが、時折沈黙を破った。

農場の門の前で車が止まると、僕は「友だちはまだそこで暮らしているだろうか?」と言った。
「教えてあげられるけど、君が自分で見つける楽しみを台無しにしてしまうから ね」彼は、さっきのサミラみたいに秘密めいた調子で答えた。

トゥルーマン・ショーの中にいるみたい。
他の人たちは皆、僕について何かを知っているようなのに、何も言いたがらない。

僕も今は何か言えるような気分じゃない。
僕は、僕の運転手に体を寄せて、心からのハグをして、送ってくれたことに感謝した。

「僕は君にありがとうって言わねばならないよ、アミーゴ!君に会えて、僕は本当に信じられないくらい喜んでいるんだ。
僕らはまたすぐに会えるさ。

じゃ、またね!」その言葉を聞きながら、僕は車のドアを開ける。
車から降りて我が家の前に立ち、ショックを受けた!
2019-12-30 23:59:24
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