この章は来る世界に向けて「お勧めのストーリー」としてAKがKeen-Area Newsで紹介した記事を「人類への教科書」として掲載する物である。もちろんはるとが承認済である。
2020 The New Earth A travel report【9】自分の中の平和
9.自分の中の平和
動画版に関しては私の環境では非常に明瞭にセリフが聞き取れるのだが、スピーカーの特性によっては「聞き取りずらい」らしい。
特にスマフォでの視聴はBGMだけが強調され、セリフが聞こえないのでご容赦願いたい。
初期の動画に関してはほぼそのような状態であるが、すでにアップしたものはYoutebeでは修正ができないということを、ご理解いただきたい。
突然、二人の子供が、テラスの様子を見に来た。
「ウィリアムとステファンだよ」と、もう一人の僕が言う。
「ウィリアムはクリスティーナとバウチの息子、そしてステファンはマークとナタリーの息子だ。じきにナタリーにも会えるよ」
「すると、君には子供がいるのか?」僕はバウチに尋ねた。
2015年のバウチには子供がおらず、一生子供ができないと思われていた。
「そうなんだ」彼は笑って答えて、自分の息子を膝にのせる。
「完璧な子だろう?」
ウィリアムは頭を父親の胸に預けた。
目は半分閉じかけていたが、興味を引かれて僕を見つめている。
本当に良かった。
僕は自分の混乱を忘れていた。
驚いたことに、ステファンが僕のそばに来て両腕を上げた。
僕はとっさに彼を膝にのせた。
彼は皿のように大きな目で僕を見ている。
そして僕は再び、何か馴染みのない感覚――自分の周りに漂う、圧倒的な愛と喜び――を覚えた。
そして僕は、みんながこの事態を承知しているように感じた。
涙がこぼれてどうにもならず、流れるままにした。
この小さな坊やは指先を僕の鼻にあて、ぶっぶっと唇を鳴らした。
「人生は良いものだよ!」彼が言う。
「それを忘れちゃったの?」
僕の内側の殻が打ち砕かれた。
ここは一体どうなっているんだ?
「続けて」と僕は言った。
「救われる気がするよ」
するとステファンは、僕が予想もしなかったことをした。
彼が僕を抱きしめたのだ。
こんな一途な献身ぶりを僕は知らない。
父親が息子にするようなハグだ。
「すべてうまくいってるよ」と彼が言う。
彼は僕を抱き、僕は子どものようにむせび泣く。
他の人たちは、敬意を払って見守っている。
彼らは、このことをもう知っていたようだ。
この小さな坊やは本当に僕を抱いている。
僕は彼の中に、子どものものとは思えぬような強さを感じた。
「すべてうまくいってるよ」彼の小さな声が、また繰り返した。
すると僕の中で何かが反応しているのが感じられる。
何かが僕の中で変わりつつある。
僕の一番深いところから平和が生じた。
それに解放されたかのように、自由が目覚め、意識が広がった。
とうとう自分の中に平和を見出した。
僕がこれまで持っていたあらゆる欲望、恐れ、馬鹿げた考えが押し寄せてくる。
まるでそれ――終わりのない平和、一体感と調和――から逃れるように。
平和を、僕は自分の中に平和を感じることができる。
僕の中の平和。
世界との平和な関係。
僕はあらゆるものと平和な関係にある。
僕はあらゆるものと一つだ。
ぼくがすべてである。
僕は宇宙だ。
アルファであり オメガ、上のものであり下のものであり、光と闇であり、そして僕は愛で満たされているものだ。
まるで暗記しているように、マニュエルの言葉が頭の中で響いている。
「自分自身を神性の存在として見ることだ。
何の疑いもなく、そのような存在として見ることだ」
鼻の頭に柔らかい感触があり、ぶっぶっという音が聞こえる。
涙で濡れた目を開けると、これまで見たこともないような澄み切った目が飛び込んできた。
「人生は良いものだよ!決してそれを忘れちゃいけないよ!」
とステファンが言う。
今度は僕が彼に聞いた。
「君は何者なんだ?」
目の前に子どもがいるようには思えない。
ある存在が、子どもの体に宿っているように見える。
このように子どもを見ているのは、生まれて初めてだ。
僕は彼を、まだ僕の膝に座っている、同等の存在として見ている。
同等かつ完全なる人物として。
「あなたは誰なの?」彼が質問を返してきた。
「わからない!」
「それはいいことだよ」
「どうして、いいことなんだい?」
「だってあなたは無であると同時にすべてだからだよ。
思い出した?」
4歳の子どもが発したこの質問が、再び僕を困惑させる。
僕はただ肯いて、
「うん。思い出したよ」と言った。
たった今思い出したのは他の人たち。
まだそこに座ったままで見守っている。
「もうこれで、君は時局への備えができた」もう一人の僕が説明し出した。
「これで君も地球の振動数を保つことができるはずだ。
そして君を通して、多くの多くの人たちもそうなる。
たとえ彼らがまだそのことを知らなくてもね。
僕はこのことを知っているんだ。
だってもう起きたことなんだから。
ジュース飲んだら?」
しばらくしてから、僕はネイサンからの散歩の誘いを受け入れた。
ステファン の「処置」以降、これまで味わったことのないような気分でいる。
僕はまったく 心安らかで、集中して明晰に思考できる。
ポジティブで建設的な考えしか浮かばず、恐れたり心配したりする理由は一切ない。
ネイサンと並んで歩いていると、 僕は一層気が楽になった。
僕の周りにいる人たちの中で、僕は彼に最も理解されているのを感じる。
彼は本当に、僕がどう感じているか分かっているようだ。
彼は5年前に、すべてを経験したのだから。
それ以降、彼は、今の僕とはまったく違う人物になったようだ。
彼は、今の僕よりもずっと落ち着いていて分別心もある。
「ステファンは僕に何をしたの?」
庭をしばらく静かに歩いてから尋ねた。
「そしてどうして彼にそんなことができるの?」
「彼は小さなシャーマンなのだ。
僕たちは早くからそれに気付いた。
彼がハーブ やエネルギーワーク、ヒーリングに特別な興味をもっていたからだよ。
彼はまだ 文字は読めないが、周りの植物については何でも――何て呼ばれているのか、どんな治癒力があるのか――知っている。
彼は小さな百科事典みたいだよ。
彼には素晴らしい教師たちがいて、彼の母親、ナタリーから多くを受け継いでいる。
彼女もこの方面では随分活躍しているんだ。
ステファンは他のことにはあまり興味を示さない。
彼はすぐに彼女の仕事を手伝えるようになった」
「彼女は仕事に自分の子どもを連れて行くことができるの?格好いいね」
僕は感心してそう言った。
ネイサンはただ僕を見て笑い出した。
「別の視点から自分自身を見るのって、すごく変な感じ。
5年前に、僕の5歳年上の自己が言ってたことは、今だからこそ理解できる。
彼も5年前にそう言ってたよ!」彼は僕の質問には答えずに、そう言った。